成形後の永久磁石はまだ磁気を帯びていません。この磁気を帯びていない永久磁石に磁気を印加することを「着磁」といいます。永久磁石を着磁するには、永久磁石の外から強い磁界を与える必要があります。
この着磁に必要な磁界の強さは、磁石素材の特性によってそれぞれ異なります。磁石材料は、どれだけ強力な磁界をかけても、それ以上磁力が強くならない限界点=飽和点があり、この飽和点まで着磁することを「飽和着磁」といいます。 着磁を行う着磁装置には、適切な「飽和着磁」が行えることが求められます。
着磁装置の構成は大きく分けて、電流から強力な磁場を発生させる「着磁治具」と、その治具に電流を供給する「着磁電源」が必要です。また、着磁装置の種類は磁場の発生方式によって異なり、瞬間的に磁場(パルス磁場)を発生させる「コンデンサー式」と、連続的に磁場(静磁場)を発生させる「電磁石式」があります。